NANA★LAND

ぐだぐだ日記としか、、、

9月24日(日)ワンピース劇場版 オマツリ男爵と秘密の島(微妙なネタバレ有)

f:id:hagananae:20170924064128j:plain

(ワンピースのアニメ、そういえば初体験ですw)

 

 

 もう言ってしまおう。

 というか、このブログを読んでいる方はご存じだろうけれど、私にとってホラーは良質なコメディです。

 まだ保育園に上がる前からスプラッタ映画父親と一緒に鑑賞していた私は、今になって父に「あんなもの見せなければよかった」と趣味をク〇味噌に言われていますが、なにも平均的な女性からみたらちょっと趣味がアレなだけで、なんちゃないことだと思っています。

 本人的には。

 そんな私はどんなホラーも平気でどんとこい!なのですが、そのホラー好きな私が誘蛾灯のように惹かれたのがこちらです。

 

「ワンピース劇場版 オマツリ男爵と秘密の島

 

f:id:hagananae:20170924064336j:plain

(島に引き寄せられて恐怖を味わう麦わら一味の図:サンナミカップルが一番欲望に忠実らしい)

 

 感想。

 よかったです。

 色々懐かしかったです。

 そして、これ、正真正銘のホラーだわ。

 こわっ!

 

【ワンピースに愛情がない私、もとい初期は好きだった私】

 私、ワンピースは高校1年生の時にクラスメート(女子高です)が、教室に学級文庫として持ってきていまして、シカ(ではなく、トナカイだと後に知りました)が出てくるまでは全巻読んでいました。

 だから、まったく自慢にはなりませんが、基本だけは押さえています。

 ルフィが海賊王になりたいのとか(それ基本っていうか……)、ナミが蜜柑屋の娘(たしか、そうでしたよね?)で、元アーロン一味で、ゾロは常時流血バトルを演じているとか、サンジ君はコックの親父さんに助けられたとか(足食べてましたよね、あのおじさん)ウソップとカヤお嬢様のエピソードとか、シカじゃなくて、トナカイチョッパーとドクターくれはのこととか、ビビのこととか、初期の浪花節は私は大好きでした。

 

でも、そこから先を知らない

 

 つまり私のワンピース歴はパーティがそろうまででして、これはもう初期というか設定に近く、物語さえはじまってない段階です。

 なんというか、人から言わせれば設定までしか読んでいないのですが、不思議なことに、私はこの後のワンピースの展開に興味が持てなかったのです。

 ある日、気がついちゃったんです。

 もうルフィの未来にそれほど興味がわかないことを。

 あれば、コミックスの何巻だったんでしょう。

 たぶん、ナミが不思議な海域入って、ログを集積していた巻だったと思います。

 毎度毎度、話のラストに新キャラが登場する展開に気がついてしまって、この引っ張り方ってどうなのだろう、と強烈に思ったんです。

 つまり、鏡のようにどの話もラストが同じ。

 それに気がついてしまってからというもの、ワンピースは私の人生から姿を消しました。

 なので、なぜこの映画を観る気になったかというと、これが「怖い映画」だという話を聞いたからです。

 

 

f:id:hagananae:20170924064926j:plain

(映画が怖すぎて、怖い絵しかなかったので、原作のキュートな尾田先生のイラストでなごみたい 初期の表紙の絵って毎度かわいかったですよねw)

 

【感想 まんまなんちゅう怖い話じゃ!!】

 不気味な映画でした。笑

 物語は、例によって麦わら一味がある島で「毎日、お祭り」を開催している謎の島に迷い込みます。

 そこは、オマツリ男爵の支配する島で、彼の海賊団とゲームをして、勝つことでご褒美がもらえる、そんな仕組みなのですが、ゲームをする中で、麦わら一味の仲間割れが異常なほど進んでいきます。

 ゲームをしていない一味はそれぞれに島の探索をする過程で、ひとり、またひとり行方不明になり、いつのまにかルフィ一人きりになってしまいます。

 引き裂かれ、消えた仲間を助ける、ルフィはたったひとりでオマツリ男爵と対決するというのがあらすじです。

 

 この映画、実はワンピファンじゃないということもあり、私には無理かもと思っていたのですが、全然そんなことはありませんでした。

 オープニングでびっくりしたのは、細田守監督。

時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」などヒットメーカーの監督です。

 期待度が上がりました。

 映画の最後はもちろん、ハッピーエンドではあるのですが、途中が不気味すぎる。

 この映画で、オマツリ男爵は主人公ルフィにとって、もっとも大事なものを奪いにかかります。

 つまり、「仲間」です。

 なぜなら、オマツリ男爵自身もまた「仲間」をもっとも大事だという価値観を持っていたからです。

 ワンピースの敵対者である以上、男爵もまた悪魔の実的な能力を持っているのですが、男爵の場合は、肩の上にのったかわいらしい花でした。

 この花はよく太陽光などでウトウト首をゆらせる花のおもちゃによく似ていて、ニコニコスマイルをキープしたまま男爵の肩でいつも揺れています。

 しかし、この花自体が、男爵のおそらく能力というか、男爵の欲望を集約した兵器だったのです。

 島を訪れた麦わら一味は状況もよくわからないまま、男爵の仲間たちとゲームをする羽目に陥るのですが、彼らはなかなか手ごわく、最終的には彼らを倒すには武力では無理だということがわかります。

 いくら斬っても、彼らは死なないし、死ぬことがきでないのです。

 しかし、ゾロの三刀流でも「死ね」なかった彼らも、闘いや会話のうちに、話題が彼らオマツリ海賊団員の「この島にいる経緯」に及び、自分の記憶の欠落に気がついてしまったとき、彼らは生気を失くしたかのように一気に倒れてしまいます。

 それは、なぜか。

 チョッパーが迷い込んだ、街の果て。その赤黒い夕暮れの丘に恐ろしいほど連なる古びた墓標の波。

 かつて撮影されたこの島にくる直前のオマツリ男爵海賊団の集合写真。

 その写真との中で男爵だけが唯一年を取っているという事実。

 秘密の島の山頂に咲いているという幻の華リリー・カーネーション

 そして、島に迷い込み、オマツリ男爵にレジスタンス攻撃を加え続けるたった一人のチョビヒゲ海賊団船長ブリーフ。

 島に影を潜めるように暮らし、何かから逃げ回っている頼りない父親を団長にもつ、四人家族。

 この島はいったいどういう場所なのか。

 

 最後の対決で、オマツリ男爵はルフィと同じくらい「仲間」というフレーズを連呼します。

 それは、彼の失われた痛みであり、常に得続けていなければならない元凶だからです。

 仲間を奪われたルフィは「俺の仲間を返せ」と言い、男爵はそれに応え、

「お前はひとりぼっちだ。長いこれから人生をたった一人で過ごすのだ」と言います。

 この宣言は、ルフィに向けられたものであると同時に、私たち観客に一つのことを想起させます。

 たった一人で生きていくことが、どれほどの孤独と絶望を伴うものか。

 大事な仲間を奪われた俺の苦しみをお前も味わうがいい。

 それは、ルフィでなくとも多くの人間が感じる恐怖の一つの形ではないかと思います。

 仲間、というとき。

 それは、大事なものであるけれど、ワンピースで語られている「仲間」は仕事仲間であると同時に寝食を共にする「家族」も意味しているのは明らかです。

 仲間、仲間、仲間。

 作品中で連呼されるこのフレーズはジャンプのテーマの一つである「友情」をしつこいぐらいに強調しているように聞こえますが、麦わら一味やその他の海賊団を見ていると、仲間を超えた「家族」といったほうが近い。

 この家族を奪われた男爵の痛みはそのままルフィの痛みでもあり、そして、それは同時に死をもって仲間、家族と永遠の隔たりを味わうかもしれない私たちの恐怖心にリンクします。

 この映画は、男爵の悲しみと絶望の叫びであり、ルフィの仲間を取り戻そうとするあがきであり、そのルフィを助けようとする新たな島で出会った新たな仲間との共闘と希望の物語です。 

 

 過ちを犯し続ける男爵の悲哀と、死ぬ権利を奪われたオマツリ海賊団員の悲しみは、死への恐怖を掻き立てるという意味でホラーそのものでした。

 しかし、コメディとして笑い飛ばせるジョークには到底程遠く、だからこそ、せめて男爵の名前をオマツリとし、秘密の島では空虚で盛大な夜ごとのフェスティバルが繰り広げられています。 

 そこでは底抜けに明るい、ただ空虚な明るさが支配し、オマツリ男爵の肩の上でリリー・ローズが心の消えた笑顔をたたえ続けているのです。

 オマツリ男爵と秘密の島

 正真正銘のホラーです。

 すっごい、怖い。

 怖くて悲しい。